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Hanafuda Project

花札で世界中を盛り上げていこうと思っています

花札で世界を盛り上げていこうと思っています

古見さんはコミュ症です。91話「年末です。」における花札の間違いに関する考察

『古見さんは、コミュ症です。』7巻が発売されました.

早速購入しました.

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7巻では本ブログで紹介した花札回が掲載されています.

hanafudaproject.hatenablog.com

 

しかし,改めてよく読んでみると花札に関する大きな矛盾があることが判明しました!

 

それは71-73ページの晶と結子(おばあちゃん)のお年玉を賭けた花札のシーン.

 

 71ページ

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72ページ

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73ページ

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72ページ1コマ目の左側に『ひいたカードも《梅に鶯》! 場の《梅に赤短》をとっていく!!』とあります.

しかし,71ページ2コマ目や72ページ1コマ目から,《梅に鶯》はすでに場にあったことがわかります.

さらに,72ページ1コマ目左側の札の絵や,2コマ目の晶の取り札では《松に赤短》が描かれていますが,《梅に鶯》で《松に赤短》は取れず,セリフとも矛盾しているため,明らかに作画ミスであることがわかります.

この2つが大きな矛盾となりますが,実際には《梅に鶯》と《松に赤短》のどちらを取っていたのでしょうか.

 

ではどのような勝負の流れであるべきだったのか,というところから考察していきましょう.

73ページでは結子が「月,松,桐」の三光をあがっています.(《松に鶴》を取った描写はありませんが,三光のイラストに描かれていることと,晶が71ページ1コマ目で《桜に幕》を取っていることから確定)

ここに至るまでには2つのパターンがあると考えられます.

72ページ4コマ目の晶がこいこいをした直後に,「はい,《桐に鳳凰》とった。」というセリフであがっていることから,

パターン1: このターン《松に鶴》を取り,山札から引いた《桐に鳳凰》で場の《桐のカス》を取った.

パターン2: 72ページ3コマ目の前に《松に鶴》を取り,73ページ1コマ目に手札の《桐に鳳凰》で場の《桐のカス》を取った.(73ページ3コマ目で晶が結子のプレイングを褒めていることから,《桐に鳳凰》は運で山札から引いたのではなく手札から出したと考えられる.あと73ページ1コマ目の雰囲気やセリフが,実際にプレイしているときの山札から出した感じより手札から出した感じに近い.)

というパターンがあります.

しかし,73ページ2コマ目で「相手のとった札を見ていなかった!」とあることから,晶は結子が2枚の光札を持っていることを見逃してこいこいをしたと考えられます.よってパターン2である可能性が高そうです.

 

次に,72ページ1コマ目と3コマ目の晶のターンの間に結子のターンが何度あったのかということが問題となってきます.しかし73ページ1コマ目で結子の手札が5枚あることから,結子のターンは1度しかなかったということがわかります.

このターンで結子が《松に鶴》を取るためには,手札の《松に鶴》で場の《松に赤短》を取る必要があります.その後山札から《菊のカス》引いてしまったと考えられます.(手札から《菊のカス》を場に出して,山札から《松に鶴》を引き当てた場合もあるが,結子がそんなプレイングミスをするとは考えられない.また《菊のカス》を場に出すなら,手札に持っていたと思われる《桐に鳳凰》で《桐のカス》を取っていたであろう.)

よって72ページ1コマ目で晶が《松に赤短》を取るのは間違いだったということがわかります.

 

以上より,72ページ1コマ目の左側のセリフは『ひいたカードも《梅に赤短》! 場の《梅に鶯》をとっていく!!』などと修正され,72ページ1コマ目左側と2コマ目のイラストを《松に赤短》から《梅に赤短》等に変更する必要があります.

また72ページ1コマ目の晶のターンの次の結子のターンでは《松に鶴》で場の《松に赤短》を取り,山札から《菊のカス》引いたというのが自然な流れとなります.

ここの流れを描写していないのは,晶が結子の取り札を意識していなかったことを表しているのではないかと思います.

 

ちなみに73ページ3コマ目の語尾は誤植ではなく意図的だそうで,言い終わらないうちに次に進んだ感を出しているそうです.(著者のオダトモヒト先生のTwitterより)